2010年7月 新橋演舞場 昼の部

 観劇したのは月の前半なのですが今まで感想を書かずに放置してしまい
ました。どうも歌舞伎座が閉場してから燃え尽き症候群気味。演舞場に行
くのにあの廃墟の様な歌舞伎座を目にしなければならないのも歌舞伎から
足が遠のきがちな要因かも。

名月八幡祭


 深川の祭り情緒溢れる演目。名優の紡ぎ出す夏の空気を堪能しました。

 三津五郎の好演にどっぷり感情移入。こういういきさつなら狂いもする
わ!ちょっと田舎臭くて、でも実直そうで、美代吉さん、あんたこの人と
結婚するのが吉だよっ!と言いたくなる。巧いなあー。^^

 美代吉ってヤな奴!と感じてしまった。本当は後味悪いことをやらかし
たけれど憎めない人っていう設定なのかな。お姫様や献身的な女房なら隠
れる福助のふてぶてしさが出てしまった感じ...。

 肝心の歌昇が弱い。美代吉が入れあげることに説得力が感じられない。

 段四郎が良かった。ベテランの貫禄と祭りに盛り上がる下町の旦那の風
情。でも、この人が悲劇のそもそもの発端。後味の悪い役柄だねえ。

文屋


 人間国宝の至芸。今わからなくても五年後、十年後に今よりもっと観劇
を重ねたら、あの時の富十郎は良かった、と解るんだろうなあ。踊りの良
さは後から来るのだ。ちなみに今私はようやく十年前の玉三郎道成寺
シビれているところ。延寿太夫浄瑠璃も聴けて良かった。


 敵役だと言われてもスーパースターに見えてしまう成田屋の大きさよ..。

 この幕の福助は良かった。ホッとしました。

 過去に何度もアレは観てるのに、大道具の仕掛けに初見の様に驚いてし
まいました。このビジュアル、そりゃあこう来るだろうさ、って今なら思
うんだけど。^^;




↓こんなのあるのね。