2010年10月 新橋演舞場 昼の部 その一

?H3>頼朝の死

 また真山青果。最近多くないか。周囲でもあまり真山ものを好きだとい
う人がいないのだけれど、何でこんなに演るの?

 真山作品って歌舞伎っぽくないんだよなあ。私が歌舞伎に求めるものは
錦絵の如き絵面であり、様式美であり、聞き惚れてしまう浄瑠璃長唄
あり、粋な江戸っ子イズムであり、それらがないと歌舞伎じゃなくて芝居
か?と思ってしまう。特に音楽がないのはものすごく寂しい。名演目には
必ず名曲がセット。芝居の新作を書ける人はいても浄瑠璃の新作を書ける
人はいないっていうことなのかしら...。

 真山論が長くなってしまいましたが、今月のこの演目は梅玉オンステー
ジ。月明かりに照らされた横顔が美しかった。梅玉に比べると錦之助、孝
太郎ともに弱くてあまり印象に残らず。若手二人もっとガンバレ。

?H3>連獅子

 巳之助の子獅子は時々三津五郎をちらちら見るのが気になった。多少大
味になっても良いからもっとのびのびと行っちゃえ!って思うけど、そう
いうわけにもいかないんだろうなあ。今後に期待。伸び盛りの若手なので
月末にはもっとずっと良くなっていると思います。

 三津五郎の前シテが凄かった。今まで團十郎幸四郎の親獅子を観たけ
れど、今回が一番覗き込む谷底の深さを感じました。目の前に床があるん
だけど遥かに下を見てるんだよねえ。

 三津五郎は小柄だし毛振りは正直あまり期待していなかったのだけれど
これまた美しくてびっくり。背が高い巳之助よりもダイナミズムを感じた。
何が違うんだろう。力の入れ具合?腰?毛振りは体格や体力だけにあらず。
深いなあ。




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