2010年11月 新橋演舞場 夜の部 その二

?H3>都鳥廓白浪

 権十郎と萬次郎の登場が嬉しい。マンジロさん大好き。あの妙な味わい
の声がたまらない。

 梅枝上手くなったなあ。今後がとても楽しみ。お姫様とか傾城ではなく
女房が上手い役者さんになりそうな予感。

 團蔵のギロリ、が格好良い。腕組みしてにらみを効かせたらこの人の右
に出る者はいない。

 オメッティ痩せたね。最初誰だかわからんかった。痩せて格好良くなっ
たかもしれないけれど肝心の貫禄やオーラが薄れてしまった様でそれじゃ
あ本末転倒、と思う。

 権十郎時蔵は親子と言われても同世代にしか見えず。権十郎の老け方
不足か時蔵の若々しさ不足か。両方かな。そのあたりがこの二人にまだ足
りない部分なのだと思う。上手い役者さんは年齢を超越するのだ。新之助
助六相手の雀右衛門揚巻は違和感なかったんだもの。

 久々に観た菊之助。やっぱりいいわあ。こういう女のナリをしていまし
たが実は男、っていうのは音羽屋が最高。若手は大抵迷ったり伸び悩んだ
りする時期があるのが解るのだけれど、菊之助は文句のつけどころがない
ところが逆に不安。こんなに順調に伸びすぎで大丈夫だろうか。あるいは
これから大きな壁にぶつかったりするのかしら...。

 この演目観た事ある筈なのに思い出せない、と思っていたら最後の立ち
廻りで思い出しました。ああ!これか!この立ち廻り菊五郎で観たわ!上
方や中村屋の笑いは時として過剰だと感じてしまいますが音羽屋の笑いは
芝居の邪魔をせず程良い感じでとても自分にはしっくりきます。