2010年 ミステリしら菊アワード

 遅ればせながら2010年ミステリしら菊的ベストの発表です。あくまで今年
読んだベストなので今年発刊されたものに限ってはおりません。

殿堂入り
 冬の旅人 皆川博子 
 総統の子ら 皆川博子


 1. モーダルな事象 奥泉光 
 2. 粘膜蜥蜴 飴村行
 3. 探偵小説のためのゴシックー火剋金ー 古野まほろ
 4. 五声のリチェルカーレ 深水黎一郎
 5. 鷺と雪 北村薫 
 6. 隻眼の少女 麻耶雄嵩
 7. 旧宮殿にて 15世紀、ミラノ、レオナルドの愉悦 三雲岳斗
 8. 暁英 北森鴻
 9. キョウカンカク 天祢涼
 10. 海賊モア船長の遍歴 多島斗志之
 
 皆川さんは殿堂入り、別枠にしました。じゃないと毎年一位が皆川さんに
なってしまって面白くないので。いつも重厚で濃密な読書体験をさせてくれ
る皆川さん。どちらも内容は重くて辛いけれど本当に読んで良かったと思う
二冊でした。

 一位は奥泉さん。グランド・ミステリーと非常に迷いましたが多少の脱力
感があって楽しかったということでモーダルに。

 二位は今年一番読んでいてテンションが上がった作品。この衝撃には年度
賞をあげずにはすまされまい。

 三位はずっと天帝シリーズより思い入れられなかった探偵小説シリーズの
ラスト作品。最後の最後にキタコレ!って感じでした。あまり仲間うちで賛
同は頂けない作家さんだけれど私はこの人、ほんとに凄いと思っています。

 四位はジークフリートも面白かった深水さん。ジークフリートよりも短く
て粋な印象だったこちらにしました。

 五位は戦前の昭和へのタイムスリップを楽しませてくれたベッキーさんシ
リーズ。これで終わりっていうのがとても寂しい。もっとベッキーさんと英
子の物語を読みたかった。

 六位は説明不要ですかね。我らが麻耶雄嵩の新作、入れないわけには...、
ということで。

 七位以降は微妙なライン。今年とても読んだ冊数が少なかったのでこのあ
たりがランクインしてきたけれど例年であれば落ちるかなー、ギリ十位くら
いかなー、というところです。キョウカンカクは単体での受賞ではなく二作
目も含めて今後への期待点も加味してのランクイン。多島さんは..、未だ行
方不明。残念ながら嬉しいニュースを聞く事は出来ませんでした。ご家族の
ブログも失踪から半年という7月のエントリーで止まっています。

 北森鴻さんと永井するみさんの訃報には大きなショックを受けました。ま
だまだ二人ともお若かった。残念でなりません。

 今年も一年間拙ブログにお越し頂きありがとうございました。今年は意図
的に読書冊数を減らしたのですが、ちょっと減らし過ぎたかな、という気が
するので来年はもう少し読もうかと思います。来年もどうぞよろしく。^^
しら菊でした。