爛れた闇の帝国 飴村行

飴村行の初粘膜外作品。

普通だったらこれでも充分濃い世界なのかもしれないけれど、粘膜を読んだ後だ
とうっすらさっぱりに感じてしまう。

物語はある高校生とその周辺の人々の現代パートと、監禁されている男の記憶を
取り戻す物語の戦時中パートの二本柱。高校生の母親が彼の親友とデキちゃって
となかなかセンセーショナルな展開ではあるし、戦時中パートではお約束の拷問
シーンも出て来るものの、やはりナムールもヘモやんも河童も出て来ない世界は
一見物足りない。でもそうそう爬虫人やルミルミ様に頼ってばかりもいられない
もんね、と言ったところか。

どうしてもその強烈な作品世界ばかりが取り沙汰されてしまいがちな粘膜シリー
ズに対して世界観に引きずられない『物語』に、『入り組んだ二つの世界がどう
交わってゆくのかという構成の面白さ』に真っ向から取り組んだ良作でした。
満足!

星3.9個。



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