ロマンス 柳広司

ほんとうに柳さんにははずれがないです。

目次をぱらっと見て読むことを即断。昭和八年って小説の舞台としてとても好き
な時代。

主人公はロシアの没落貴族の娘を祖母に持つ華族の清涁。色白の肌に朱色の唇が
なまめかしい清涁と、清涁の友人で世間では野暮の代名詞と言われる陸軍の軍服
が夜会服の様によく似合う長身の嘉人。この二人だけでご飯三杯食べられる女子
は多かろう。

華族の退廃的な嘆美な世界って柳さんのストイックな文体には似合わないかと最
初は思いましたが、なかなかこれはこれで良かったです。コテコテ描写しないの
だけれど清涁や万里子の持つ華族という存在の行き詰まり感や嘉人が軍に入隊す
る想いはがっつり伝わって来るし、読了後には切ない余韻をじんわり残す。さす
がでした。

星4個。

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