頭蓋骨の中の楽園 浦賀和宏

 首なし死体となって発見された美人女子大生。彼女の死はミステ
リ小説の中で予告されていた!?その小説を書いた作家の妻は被害
者と、そして「笑わない男」安藤と同じ大学に通っており...。
 ずっとこのシリーズを読んできて、抜けていたピースがだいぶ埋
まった、という感じです。忘れかけてた名前が出て来て記憶の奥底
を掘り返されます。安藤君の人物像が自分の中で「記憶の果て」や
「時の鳥籠」の時から随分変わりました。作品毎に穂波も飯島も皆
微妙に印象が違います。わざとかな?

 ”笑わない男”安藤。こんな状況に置かれたら私だって笑いませ
んよ。笑わない男、というよりは笑えない男。もしくは笑ってる場
合じゃない男。

 わがままなことに「もっと壊れて」と思ってしまいました。
壊れっぷりが物足りない。「記号を喰う魔女」と比べるからなんで
すけど。もうなんというか、犯人とかトリックとかどうでも良いで
す。そういう次元を超えました。この世界がこの登場人物達がどう
なるのかを見届けるまでは死ねません!純菜はいいから安藤シリー
ズ求む!プリーーーーズ...!(切実)

 星4つ。