過ぎ行く風はみどり色 倉知淳

 さわやかです。タイトルも表紙のイラストも、そして
読後感も。私は今年の二月から三月にかけて読んでしま
いましたが五月の晴れた日にオープンカフェなんかで風
を感じながら読みたかった。

 さわやか、とは言ってもそこはやはりミステリですか
ら密室殺人はおこるし、怪しい霊媒師やそのインチキを
暴こうとする大学の研究者も登場しちゃんとミステリ好
きが喜びそうなネタがちりばめられています。

 巧く伏線も張られていて注意深く読めばトリックが見
破れたかも?と今になって思いますが、私は全然見破れ
ませんでした。くぅーっ!くやしい!(と言いつつ面白
いトリックに出会えて嬉しいんですけどね。)

 そして、なんと言っても忘れてはならないのが名探偵
猫丸先輩です。最初は主人公(語り部)に感情移入して
いるので奔放な先輩に翻弄される主人公にちょっぴり同
情しつつ読み進めましたが、読了時にはすっかり猫丸先
輩のあざやかな推理のとりこでした。すぐにネットで倉
知淳の他の著作を調べて猫丸先輩が登場する物語が他に
もあることを知り嬉しくなりました。犀川先生や京極堂
のように猫丸先輩が出てくる物語がこれからいっぱい出
るといいなあー。

 途中ちょっとダレた、と言うかもう少し短くすっきり
まとめても良かったかな。と思ったため、そこだけ減点
で星四つ。

http://blogs.yahoo.co.jp/kikyosyobo/2919133.html 星降り山荘の殺人]
[http://blogs.yahoo.co.jp/kikyosyobo/10929845.html 壷中の天国]