クビキリサイクル 西尾維新

 ずっと気になってはいましたが、勇気が要りますよね。この表紙
は。いい大人が人前でよむのはちょっと、みたいな。まあそこはひ
とつ、カバーでもかけて乗り切るということで。
 
 この方は森博嗣が好きなんですね。やはり本書は「F」へのオマー
ジュなのでしょうか。舞台は孤島です。首なし死体が登場します。

 表紙や中扉のイラストやアニメっぽいキャラクタ、その言葉遣い。
苦手な人は引いちゃうと思いますが、そういった装飾を取り去れば、
核の部分は、良くできたミステリでした。面白かった。トリックも
練られているし、終わり方もうまい。独特の言葉遣いについ目がい
ってしまいますが、基本的に文章も巧い人だと思います。リズムが
あるし。慣れるまではちょっとしんどいですけど。

 「装飾」を取り去って違う形に料理すればもっと大人も読めるも
のになりそうですが、でもあの「装飾」部分があるからあれだけ売
れてるんでしょうしね。ご本人もその辺解ってやってるんだろうし。
 
 やたらと戯れ言戯れ言言うのに最初は引っかかりましたが、一冊
読んだら慣れました。せっかく慣れたから他の作品も読んでみよう
かな・・・。
 
 星3.5個。

 森ファンの皆様!「θ」が出ましたね!今読んでいる最中のもの
を片付けて、早く読みたい!楽しみだ!