追憶のかけら 貫井徳郎

 面白かったんですよ。読んでる間はけっこう熱中して、ハードカ
バーなのに出かける際も持ち歩きました。主人公が入手した戦後自
殺したある作家の未発表手記の部分や、その手記の謎に主人公が立
ち向かうあたりは非常に面白く読んだのですが。

 でも、いざ読み終わってみると、???。恨みがあったとしても、
人はこんなにしち面倒臭いことをそもそもするかね?とか、主人公
がH氏を発見したことがちょっと都合良すぎるかな。という疑問が
生じました。犯人に関する記述(描写)がきちんとされていないか
らそういう疑問に納得できないのかなあ。なんか最後ちょっと唐突
な感じがしたんですよね。基本的には面白かったんですけど。
 
 いくつかの引っ掛かりはあるものの、読みごたえがあり、かなり
長いけれども最後まで読ませる。そういう意味である一定の水準に
はあると思います。

 星3個弱。