長い家の殺人 歌野晶午

 うーん・・・。中途半端に古くさい、ですかねえ。本書がデビュー
作で88年刊行との事なので、当時読んでいれば面白かったかも。「長
い家」の平面図を見ればトリックは察しがつきますし。京極、森以前
なら楽しめたのかなあ。ライブハウスの店長が徹にライブハウスの構
造について延々語るのも不自然。あれは読者への親切のつもりなので
しょうか?ちょっと説明的でした。動機も後付けっぽい。もっとペー
ジを割いて登場人物の過去が語られていれば良かったようにも思いま
す。
 もう少しの年月寝かせて、このトリックが古典として楽しめる様に
なった頃読むのが良いかもしれません。

 私は歌野晶午は初読なので最近のものを読まないことには公正な判
断は出来ないですね。星はあえてつけないでおきます。

 ということで歌野晶午の新しめの作品を、と思いまして、ただいま
「世界の終わり、あるいは始まり」読み中。平行して「半落ち」をよ
うやく図書館で借りることが出来たので、初横山秀夫中。(予約をし
ないトショカニストなので本当に遅いんです。ブームから平気で数年
遅れます。でも予約してから何ヶ月か後、全然その本を読む気分じゃ
ない時に順番が回って来ても嫌ですしね。)両方とも近日エントリー
予定。乞う御期待。