悪党たちは千里を走る 貫井徳郎

 面白かった〜。久々に心底楽しみました。都合の良すぎる展開も
あったけど、でもいいです。楽しんだもん。最後の方ではあと数十
ページで彼らとお別れしなければならない事が寂しかったもん。こ
難しい社会問題を扱っていたり、何かを示唆したり、暗喩だったり、
そんなものじゃあなくって、私が本に求めるのは「娯楽」。退屈な
通勤時間を寝る前のひとときを豊かで楽しい時間にしてくれるもの。
そういう意味で「本」の本質、王道だと思いました。貫井作品の中
では慟哭に次ぐ面白さでした。二位です。とはいえ慟哭とは随分雰
囲気も趣旨も違うので「慟哭、再度!」みたいな先入観や期待は捨
てて読んで下さい。

 星4つ。