上手なミステリの書き方教えます 浦賀和宏

 「やっと訪れた青春」「結末は圧倒的感動」という煽りに不安を
感じていたのでほっとしました。もしかして、八木君と純菜の関係
が進展しちゃう?八木君は鬱々悶々とするからこそ八木君なのにな
あ...。しかも感動モノ嫌いだし。はたまたファミレス襲撃犯がつか
まって妹復活?そしたらこのシリーズおわっちゃうじゃん!

 果たして、どうやらこのシリーズまだ続くみたいだし、「感動」
も私の許容範囲レベルでした。今後小田さんと河野君がどう化ける
のか。(このまま和気あいあいとこの二人がお友達グループで終
わってしまう筈がない、気がする)今回息をひそめていた南部君が
次作登場するのか。その辺りが楽しみです。中盤のあの退屈な萌え
系作中作のあたり、よっぽど飛ばしちゃおうかと思いましたががん
ばって読んだらなんだか達成感がありました。浦賀に勝った、みた
いな。安藤シリーズを寸止めにしたまま放置したり、延々萌え系作
中作を読ませたり。相当浦賀さんは意地悪ですね。その意地悪さが
良い、と思ってしまう私はマゾでしょうか?

 中途半端な部分もありますが、これは冴さんも仰っていた様に一
つの物語を二分冊したっぽい。てことは早くも夏に出るという次作
で色々明かされるのかな。明かすとみせかけて明かさないのかな。
意地悪浦賀さんは明かさないかもね。

 星3個。