火のみち 乃南アサ

 冒頭事件が起こるので、ミステリ〜?と読みはじめたら、どうも
ミステリではないらしい。なんだ、ミステリじゃないのか...。と
がっかりしたのもほんの一瞬。すぐにこの兄弟達の行く末から目が
離せなくなりました。

 戦争を経てどんどん減って行く大家族。残された次郎の、君子の
運命は。行方不明の他の兄弟はみつかるのか!?はらはらどきどき
しながら上下一気に読みました。

 読んでる最中はとっても面白かったのですが、読み終わってみる
と「疲れたなあ」という疲労感ばかりが残ります。その疲労感が決
して心地良い種類のものでないため徒労感、という気もしてしまう。
「あー、次郎さん、こういう人のご家族って大変よねぇ〜。」とオ
バチャンの井戸端会議みたいな感想を思わずもらしてしまいました。

 星2.5個。