ネジ式ザゼツキー 島田荘司

 縦書きと横書きが混ざってて読みにくそう。苦手なファンタジー
臭も漂ってるし、と何度も図書館で手に取ってはみるものの借りず
に棚に戻していたネジ式ザゼツキー。

 横書きもファンタジックもすぐ慣れました。だって面白いんだも
ん!この荒唐無稽と思われた物語の謎のひとつひとつが御手洗によ
り解きほぐされてゆく快感!真実のまわりをがっちり覆っていた殻
がすこしずつはがされてゆくことの心地良さ!私の脳内ではきっと
快楽物質が大放出!ガツガツと一気に読み切ってしまいました。

 音楽が効果的に使われていて、叙情的な童話部分とビートルズ
クライマックスに流れるチゴイネルワイゼン、まるで映画を観てい
るように頭の中でそれらの音楽が鳴り響いて物語を盛り上げます。

 ちょっとこういう作品を読んでしまうとそんじょそこらのミステ
リでは満足出来なくなってしまうので、困りますね。

 星4.5個。