水晶のピラミッド 島田荘司

 眩暈でちょっと御手洗熱も冷め、他に読みたいものもあるんだけ
ど、一応読みかけた本は読んでから次へ進むか、と低テンションで
読んでいましたが...。

 これまた傑作!まずトリックや動機が!中盤で「これわかった!
アレと同じトリックでしょう?」と私が得意げに立てた仮説は終盤
御手洗に「あれが不可能であることは小学生にもわかる」と一蹴さ
れました。トホホ...。

 その骨子だけではなく舞台となる船上、エジプト、ロス、ハリ
ウッド、各地の空気感、自分も御手洗と一緒に旅をしているかのよ
うな錯覚さえ覚える迫って来る情景描写。仮にこれがミステリでは
なく謎解きがなかったとしても十分に楽しめる一流の小説でした。

 星4.2個。