奇想天を動かす 島田荘司

 久々の吉敷さん。随分前に「涙流れるままに」を読んで自分のな
かで吉敷さん、ジ・エンド、みたいな吉敷モノごちそうさまでした。
状態になってしまってそれっきり全く島田荘司を読まなくなってし
まったんです。

 今年島田荘司の面白さを再認識し、御手洗モノを読みあさりまし
たがいよいよ尽きてきたので久々の吉敷さんです。

 御手洗ものに比べて地味な印象があった吉敷モノですが、なかな
かどうして。ピエロは踊るわ(そして密室から消失するわ)白い巨
人は登場するわ、御手洗も真っ青の派手派手事件。そして御手洗も
真っ青のあざやか推理。読了後に残る一抹の寂しさ、社会派的アプ
ローチ、本格派も満足のトリック、どこを取っても読みどころ満載。
これ、絶対読んで損はしませんよ。

 星4個。