灰の迷宮 島田荘司

 連続で島荘に泣かされてます...。

 この切なさはどうよ~!ウルウル。

 一連の「出張するおとうさんが新幹線に乗る前に駅で買う」系表
紙の吉敷シリーズ。出版社が「本格より西村京太郎とか山村美紗
たいなのが売れる」とこういう装丁にしたのでしょう。新装版で
もっとシンプルは装丁で出せばいいのになあ。なかなかどうして、
表紙イラストにドン引きしてる場合じゃない面白さです。

 読んでる間は都合の良い偶然が多いかなあ、という気もしたけれ
ど終わってみるとそんなの気にならない。からまりあったいくつも
の事件が、謎が綺麗にほどけて吉敷によって解き明かされる快感、
ラストの切なさ。鹿児島の空気感。島荘は場所と、そこに漂う空気
を描くのがとっても巧い...。

 星3.8個。