冷たい校舎の時は止まる 辻村深月

 長っげ〜〜〜〜〜。疲れた〜〜〜。

 青春ものでもあり、ホラー風味もあり(ノベルス上巻のラストあ
たりの描写の恐さ加減がとても巧い)、きちんとミステリでもあり。

 漂流教室を彷佛とさせる舞台設定、雪や学園祭という道具立ても
効いてる。サイドストーリー的に語られる「ひまわりの家」のエピ
ソードはそのまま中編小説として成り立ちそうな良い出来。ミステ
リ部分にも「あー、またかよ」と思いつつまるっと騙されました。

 で、気になった点。作者と同名の登場人物。読んでいて深月が出
て来る度に作者の顔写真が脳裏をチラチラして邪魔。別の名前の方
が良かった。他の作品にも共通して言えることだけど、女性キャラ
に比べて男性キャラが観念的かつ類型的。そして長すぎる。この三
分の二位で綺麗にまとまってたら星3.8位行くのになー。いや、で
もデビュー作でこの若さでこれだけ書けたらたいしたもんです。
凄い!

 星3.5個。