確率2/2の死 島田荘司

 ぷは〜!なにコレ!キタコレ!

 トリックもモチーフももちろん面白いのですが、本書の一番の読
みどころは「走らされる吉敷」でしょう。頭の良い、数々の名推理
で難事件を解決に導いてきた吉敷が、誘拐犯からの電話の指示で走
らされる。ひたすら走らされて思考力を奪われてゆく。滴る汗、朦
朧としてくる意識、ハアハア..。弱ってゆく吉敷がたまらん。なぜ
にこんな所で自分のS嗜好を披露せなあかんのじゃ。

 電話事情は本書が書かれた当時から恐ろしい勢いで変わってしま
いました。赤電話、とか最近の人に通じるだろうか?私達の世代が
古臭く感じる公衆電話が出て来るミステリを「公衆電話って新鮮」
とか言う世代も出て来るのだろうか...。

 星3個。