さよなら妖精 米澤穂信

 ふもももももも〜〜〜〜〜!!!!

 凄い!この人は凄いよ!わ〜!ショックだ!

 なぜか私はこのあからさまでわかりきった結末に思い至らなかった。も
ちろん私が深く考えずにボンヤリ読みすぎ、というのもあるだろうけれど
理由はそれだけではない。途中ゴチャゴチャと読みづらい部分があって、
どうしてここもっと読み易く整理できなかったかなあ、と思っていたけれ
ど、たぶんあれが罠だったのだ。あのゴチャゴチャに気を取られて真相に
思いを馳せる暇もなく物語がさっくりと結末に到達してしまった。真相の
手前にひいたカーテンをラストで一挙に開いて見せる鮮やかさ...。

 太刀洗がああいう性格なのも中途半端であんまり意味なくね?と思って
いたけど最後に一挙にざざざ〜〜〜っと彼女の人物像が物語に果たす役割
が立ち上がって来て、なんだかふるえが来てしまった。

 「最近の若手作家」という私の中でのくくりから完全に米澤さんが頭一
つ飛び出ました。先頭ランナーです。

 星4個。

 ていうか、気付かなかったの私だけで皆さん「結末バレバレじゃん?」
って感じなのか...?これ...。