黄金蝶ひとり 太田忠司 【しら菊の猫でもわかるミステリ用語解説付き】

 面白かった~♪

 まずミステリ的部分から。これはトリックとしては定番のネタで、同じ
ミステリーランドシリーズでも他の人が書いているけれど、本書の良い所
はそれを読者に「当てさせよう」という仕掛けがちゃんとあること。これ
を読んで途中で仕掛けに気付いた少年少女はきっとこのままミステリ好き
な大人に育つと思う。気付かないでエピローグ読んで真相にひっくり返っ
た少年少女もミステリ好きな大人に育つと思う。

 ストーリーも冒険譚としてハラハラするしワクワクするし、とても良い
です。キャラクタも主役から脇役に至るまで魅力的で印象深いし(赤青黄
はもちろん店屋のおばちゃんまでもが良い味出してる。)蝶が舞う情景も
美しい。挿し絵に網中いづるさんを起用したのも成功。この真相をわざと
らしくなくぼかして絵にしているのがさすが。

 星4個。

 
しら菊の猫でもわかる!簡単ミステリ用語解説
・ミステリーランドシリーズ
 講談社が「かつて子どもだったあなたと少年少女のために」というコン
セプトで03年以降順次発刊しているジュブナイルレーベル。どうも少年少
女よりは大人ばかりが喜んで読んでいる印象。勿論少年少女に是非読んで
欲しい名作もあるが、中には子供が読むにはちょっと微妙なものやうげら
ぼあ!なものもあるので注意が必要。


↓↓書籍詳細はアマゾンへ↓↓