骸の爪 道尾秀介

 恐くねえのぅ。ホラーが得意ではない私でもこの位ならへーきのへーざ
だ。

 仏師失踪と血を流す仏の謎に作家道尾と友人真備が挑む「背の眼」の続
編。何せ恐くねぇので、ホラーファンには物足りなかろうぞ。でもミステ
リファンにはなかなか楽しめました。あの隠蔽工作はこの設定なら当然思
い付いてしかるべき方法なのに種明かしで心底ビックリした自分のなんと
も鈍臭いことよ...。

 このシリーズが今後も出るのであれば自分は図書館で借りて読むのだろ
うな、と思うけれど、待ちわびるという程でもないのね。もひとつ吸引力
のある何かが欲しい。一番手っ取り早いのは「恐さ」ではないかと思う。

 「背の眼」ではタイトルとなった背の眼についてが物足りず、タイトル
他になかったのかなあ、と思ったけれど本作はそれを上回ってタイトルと
内容がピンと来ず...。

 星3.5個。