山魔の如き嗤うもの 三津田信三

 おっ、おっ、おっ!

 いいじゃないですか〜!想像していたよりずっと面白かった!前作「首
無」がかなりハイテンションで面白かったので、あれレベルを立て続けに
は放てまいと私は思っていて、実を言うとあまり期待していなかったので
す。

 途中ノロノロと退屈で「何とか家の誰某がその時刻どことか家の誰某を
見かけて〜」等と言われても「はあ、それで?(めんどくせぇな〜。)」
という気分なのですが首無と凶鳥で驚かされた(厭魅は挫折)記憶が私を
読破へと導きました。

 よくぞこれだけ!という謎の盛り込み具合。サービス満天に二転三転す
る真相はかなり楽しめます。力作。凶鳥程のトリックの派手さや首無程の
驚きはないけれど、私はこの淡々としたノリが結構好みでした。読み終え
てから表紙を見ると、なるほどイメージぴったりで素晴らしい!

 星4個。

 作中モチーフとして出て来るお芝居、蜘蛛絲梓弦(くものいとあずさの
ゆみはり)の感想を以前書きました。とても面白い演目です。↓