Jの少女たち 太田忠司

 タイトルから乾くるみの某ゲンナリ作品を連想してしまい、太田忠司
化月間でもやらなければまず手に取らなかったであろう作品。

 阿南ってこんな人だった?あ、そうか。前作の事件を経てこういう人に
なったよ、という設定なのか。裏表紙には「新感覚のハードボイルド!」
とビックリマークつきの惹句が見えるけれど、それほどハードボイルドで
もなかった様な。阿南が出てくればハードボイルド?

 読み終わって「で、何が事件だったの?」とミステリにあるまじき感想
を抱いてしまった。失踪やら誘拐やら事件らしい事は起こるのだけれど緊
迫感が薄い。コミケ、同人誌、というネタが書きたかっただけか。うーん
ゆるミス、的な言い方をするなら「ゆるハードボイルド」か...。阿南はと
ても気になるキャラなので他の作品も読むとは思います。

 星2.5個。