甘栗と金貨とエルム 太田忠司

 少年探偵ものでは定評のある太田さん。またまた少年名探偵の登場です。

 子供が憧れる少年探偵ならば必要な要素は明晰な頭脳とか端麗な容姿と
か、スポーツ万能とか(違うか)そんなところでしょうか?大人から愛さ
れる少年探偵には、それプラスもう一つ必要なものがあります。マセてる
感、というか背伸びしてる感。その健気さに大人の女は萌えるのです。

 主人公の甘栗君は探偵事務所を経営していた父親の急死により残務処理
(人探し)を行う事を余儀なくされます。もともと大人びている少年では
あったのだけれど、そんな状況、自分を頼って来る依頼人は年下の子供、
年齢より大人を装わねばならぬ状況に追い込まれ、いっぱいいっぱいにな
りながらもそれを周囲に見せることなく(読者にすら見せようとはしない
で突っ張っている様に見える。)解決に向けて奔走する。そんな甘栗少年
の奮闘記を太田さんの冴え渡る筆が描ききっています。

 うお〜、これは萌える!名古屋グルメが色々出て来るのも楽しい!中断
してたジュクショーの続きも読もっと。

 星3.6個。