心臓と左手 座間味君の推理 石持浅海

わたくしアンチ石持なので、ファンの方には不快な感想になるかもしれ
ません。ご了承下さい。

 いまいち記憶も薄くなっている「月の扉」の座間味君が大迫警視と飲み
食いしながらテロや過激派がらみの事件の話をして、座間味君の冴えた推
理に大迫さん、か~んしん!という。過去に唯一私が無星をつけた石持っ
ちゃんっす。

 座間味君がたいしたことない推理を述べても「彼は頭が良い」とか「鋭
い意見に感心した」的な大迫モノローグがとても多くて(蘭子の「クスリ」
じゃないけどカウントしたろーかと思った。)冷める。警察のあり得ない
愚鈍さにも、ちょっと引く。

 お店で飲み食いするシーンが多いのにお酒も食べ物も美味しそうに描か
れてないしなあ。「うまいと感じた」ってト書き風に書くんじゃなくって
美味しそうな描写をして読者に「美味しそう」って感じさせて欲しいんだ
よう!座間味君の頭が良いのも大迫さんのモノローグで言われるんじゃな
くって読者が自分で感じたいんだよう!だって、誰それは魚を食べて「旨
い」と思った。ってそれ、小学生の作文じゃないか...。

 でもね、そんなことは想定の範囲内。そうだとわかってて読んだのでそ
こに文句つけたら野暮な気もする。

 文句を言いつつも最後まで読ませる吸引力。それは素直に認めます。そ
の吸引力が厄介なのです。みんな肌に合わない、と感じながらもついつい
最後まで読まされちゃうのでこれだけネット上に酷評が沢山出回ってしま
うのだ。もっとつまらないものを書く人や実力のない作家も沢山いるけど
読了させ、ブログに感想を書かせる所まで読者を引っ張っていけてないか
ら酷評が表に出て来ないだけなのよ。ってーと「文句を言わせる」のも一
つの才能であり、実力なのでしょう。(歯切れ悪い...。)

 星2.5個。