カッサンドラの嘲笑 太田忠司

 探偵藤森涼子の事件簿。

 涼子姐さん格好良いなあ。一つ一つの事件を楽しむだけではなく藤森涼
子の物語として全編通して彼女とその周辺の人物を追う読み方も面白い。
乾いた文体でクールに描かれる彼女は、少しハードボイルドタッチなのだ
けれど、どうも過去に色々ありそうで想像力を掻き立てられます。李理亜
さんが今までどういう人生を歩んできたのかも気になりますね。

 考えてみると太田作品は登場人物達が皆魅力的で、でもキャラものとい
う程キャラ頼みでもなくて、そのあたりのバランスがとても良いのです。
事件もトリックも大事。でも人物にもある程度感情移入したいの。

 そしてステキな友情出演に♪萌えまくり♪あれだけでも本書を読んで良
かったと思ってしまうのだ。

 星3.8個。