1000の小説とバックベアード　佐藤友哉

　鏡家サーガ外作品の中では一番やりたいことが巧く形になっている気が
します。高橋源一郎なんかが好きそうなテーマだなあ。

　設定や物語は面白かったけれどラストにもうすこしキレがあると良かっ
たか。ユヤ作品のオチはここ数冊どれもちょっとぬるく感じます。「水没
ピアノ」の様なヒリヒリした緊張感が私は好みなんだけど...。

　ユヤたんはラノベ系ミステリ界から文学界へと進みたいのかな？最近の
文学志向の作品も決して悪くないし、ミステリ書かないのも別に良いんだ
けど、ラノベ系ミステリ書いていた頃の「良さ」をラノミス界に落っこと
して来てやしまいか。ちゃんと拾って行け〜！（老婆心）ユヤたんはもっ
と「書ける」筈...。

　これ、感想がうまくまとまらなくて読んでから結構時間があいちゃった
のですが、なんだか頭の中で灰色〜、と世界の〜、と本書が微妙に混ざり
合って混乱してきました。これ以上寝かせたら再読しないと感想書けなく
なる！とあせって書いた次第。

　星3.3個。