生まれ来る子供たちのために 浦賀和宏

 さて、先陣切って書くよ~。(誰も後に続いてくれないかも?)

 いや~、なにはともあれ、完結。目出たい!パチパチパチ。

 巻末のリストを見て今さら驚いてしまった。かれこれ9冊も自分はこの
シリーズを追い掛けて来たのだな~。最初の2冊はミステリ色が強かった
けれど、その後学園青春ものの様相を呈したり、ラブストーリー化したり
少年の妄想エロに転んだり、SFに足を踏み入れたり、剛士と純菜の物語は
色んな側面を見せてくれた。後半読者をドン引かせたまま浦賀さんは突っ
走り、ついて行くのが辛い時期もあったけど終わってみれば作品ごとの彩
りが懐かしく、感慨深い。

 兎に角このシリーズで印象的だったのは劣等感や復讐心や猜疑心、被害
妄想等の執拗に描かれる様々な負の感情。それはとてもパワフルで暴力的
で勢いがあり、文句を言いつつもそのパワーに引きずられ読み続けてしま
いました。広げた風呂敷の畳み残したカドがある気もするけれど、整合性
や伏線の回収に腐心することでこの勢いが弱まってしまうのであれば、こ
れはこれで良かったかな?とも思うのだ。

 なんだかんだ言ってここまで心をざわつかせるシリーズって他になかっ
た。買って、読んで、文句を言うのもとても楽しかったのだ。いざ終わっ
てみるとなんとも寂しい。もう剛士ともお別れか~。しんみり。

 生きていれば色々辛いこともあると思うけど、皆強く生きようぜ!(す
いません。なんかもうどうやって最後纏めて良いかわからなくなったよ。)

 星3.5個。