遊戯(ゲーム)の終わり-探偵藤森涼子の事件簿 太田忠司

 一宮探偵事務所に勤めていた頃の藤森涼子。あ、熱いんですけど...。

 探偵というのは依頼を受けて調査してお金を貰う仕事なわけで、(どこ
ぞの薔薇十字社の様に稼がなくても生きて行けるボンボンがやっているの
で無い限りは)それなのに依頼外の事に首を突っ込みまくる涼子姐さん。
過去にエルムや阿南モノで見かけた彼女はもっとクールなイメージだった
ので戸惑いました。

 ひとつひとつの事件は謎度は軽めなのに内容はちょっと重い。ああ、そ
うか。もしかしたらこの作品はミステリ的謎解きよりも切ない重たい事件
に自分から介入してそのことで変わって行く涼子を描くことが主眼なのか
な。そういえば阿南シリーズも事件よりも事件で変わって行く阿南が読み
どころな作品だった様に思います。今思えば。

 星3個。