ギブソン 藤岡真 【しら菊の猫でもわかるミステリ用語解説付き】

 ♪ギブソ~ンを手に入れ~、あの娘に~ブルースを聴かせよう~♪

 そんな古い名曲が脳内をぐるぐるし、てっきり音楽モノだと思って手に
取りましたが、本書のギブソンはギターではなくカクテルの名前でした。

 種明かし時にいくつか「これ誰だっけ」という名前があり大混乱。こう
いう作品には人物紹介欄が欲しいんだよなあ~。これから読まれる方、わ
からなくなりがちな女性名に充分注意して進めて下さい。三千代さんとか
リッシュの修とか個性的なキャラを配しておきながら中途半端な分量しか
登場して来ないのでちょっと人物的にごちゃついてしまった印象です。

 失踪トリックや犯人は意外とまとも。ああ、確かに、怪しいわ!と納得
の落ち。これで藤岡さんの既刊長篇を一通り制覇しましたが、マイベスト
は「白菊」です。

 星3.5個。

 しら菊の猫でもわかるミステリ用語解説
・主な登場人物一覧
 何故か登場人物が多くてややこしい本に限って装備されていなくて困るア
イテム。

 あると非常に便利だが、慣れてくるとそこからなんとなく犯人が解ってし
まうことがあるので注意が必要。叙述ミステリでは人物紹介もネタばれに繋
がる危険性があるためあえて載せないケースも多い。

毎回冒頭に戻って確認するのは面倒なので、カラマーゾフの新訳のように栞
にしてつけてもらえると非常に有り難いな~。