骨笛 皆川博子

 凄すぎて震えました。

 それぞれが独立した短編集でもないのだけれど、連作短編というのとも
ちょっとちがう。自由自在に時系列を越え、夢と現の境界も越え、リアル
と幻想のはざまをたゆたい、互いに干渉したかと思えばまた離れ、流れて
行く短編世界。ひとつひとつの完成度も高く、バラして読んでもどれもこ
れもがキレがありドキっとさせられて不思議で、いや、もう私の語彙では
この良さはお伝えしきれません。

 星4.4個。