スナッチ 西澤保彦 【しら菊の猫でもわかるミステリ用語解説付き】

 わ~、きたきた。西澤さんお得意のSF風味ミステリ。

 そのSF的設定に気を取られ、ベツバオリやらサシモドシの理屈ばっかり
気にしていましたが、終盤になってようやくああ~!これミッシングリン
クものだったのか!と気付きました。(遅すぎ。)

 荒唐無稽設定を大仰なSF的書き方をせずさらりと繰り出すあたり、さす
が西澤さん。都合良く謎解き役の前にヒントが提示された印象があったの
がちょっと残念。あとは、なんつうか、主人公が身体が弱っていてあまり
物を食べられない設定なので、なんか気分がダウンするよ。パーっとアガ
るモノを読みたい気分の今日この頃なんだけどさー。(わがまま...。)

 星2.9個。

 しら菊の入試には出ないミステリ用語解説
・荒唐無稽設定
 現実味のない設定の小説のこと。
 本来小説は架空の世界なので何でもアリなのだ。西澤作品を読んでいて
時間が止まったり、時間がリピートして7回も同じ殺人事件が起こったり
してもそこを深く気にしていてはいけない。まるまる設定を受け入れなけ
れば先へは進めないのだ。