海賊モア船長の憂鬱 多島斗志之

 かれこれ二週間以上読んでいました。決して苦戦していたのではなく、
海賊モア船長に会いに行くのに行き二週間、帰り三週間の船旅、とかそん
な時間の流れの物語なので、ぐんぐん読むのは似合わない気がして毎日寝
る前に少しずつ進めたのです。

 モア船長恰好良いな〜!タイトルにもある様に色々な憂鬱な決断を迫ら
れる船長。海賊だし敵もいるし、その決断にはもちろん失う命や物も付き
もので傷みを伴う。でも後から考えればやっぱりそれが最良で、信念や美
学のある決断だからこそ皆がついてゆく。モア船長、そんな人なのだ。事
件とか真相はどうってことないのだけれど、モア萌えで最後まで読めてし
まう。登場シーンが少ないのもまた焦らされ感たっぷりでたまらん。

 充分満足して、物語との別れを惜しんで最終章を読みましたが、またラ
ストでちょっと嬉しくさせられた。この余韻は良いなあ〜!