モダンタイムス 伊坂幸太郎

 いや~、読みづらかった。桜庭さんのファミリーポートレイトを超える
苦戦本となりました。

 過去の事件に関して、特定の言葉の組み合わせで検索した人がトラブル
に巻き込まれているらしいことに気付いたエンジニアの渡辺が真相究明に
挑み、悪に立ち向かう。で、悪って何なんだ?という...。

 序盤と過去の事件の真相が明かされるあたりはとても面白かったけれど
それ以外の部分が冗長すぎだよぅ。作品のテーマ、伊坂氏の言いたかった
ことは最終的にきちんと伝わっては来たけれど、いくらなんでも、それを
言うためにどれだけ遠回りするのよ...、と思ってしまった。長々中盤で苦
戦しているうちに序盤のワクワク感なんかどっか行っちゃったよぅ。私は
起承転結よりもディティール好きな本読みなので本筋からの脱線や延々登
場人物達の会話、とか蘊蓄で数十ページ、とかは上手く書いてくれれば大
歓迎なんだけど、本書は会話もいまいち洒落てないしノレませんでした。

 星2.3個。