殺竜事件 上遠野浩平

 冒頭からいきなり「魔導師」とか「攻撃呪文」なんて言葉が出て来て、
正直苦手分野だなあ、と思いましたが意外にスルスル読めました。

 ファンタジーで魔法に出て来られると「だって魔法を前提条件に加えた
らこの世には不思議な事など何もなくなっちゃうじゃん、それってミステ
リになり得るの?」と思って腰が引けてしまう私。でも大丈夫!!本書は
ちゃんとミステリとして納得出来る物語です。

 死んだ竜の謎を追い、旅する三人。色々な町を訪れるので旅モノとして
の面白さも有り。紅一点のレーゼがどっちかとくっつくのか?等下世話な
想像もしながら楽しく読めました。

 真相にはびっくり!ああ〜!全然思い至らなかった!巧いですね。唸っ
てしまった。

 少佐とエド、どちらも違う魅力があってオタク女子の心をくすぐる描き
方です。ニクい。

 星3.8個。