トワイライト・ミュージアム 初野晴

　これまた来ました！

　ファンタジックな味付けのミステリで最近メキメキと頭角を現して来た
初野氏。新作は中世へのタイムトラベルがテーマということもあり、かな
りファンタジー寄りな仕上がりです。

　正直終盤まであまりノレずに読んでいました。これはどういう路線へ帰
結させたいのだろう。ミステリ的にもSFファンタジー的にも歴史舞台的に
も半端かも？初野さん、はずしちゃった？と心配しながら...。

　でも、190ページ以降ぐんぐん物語が動きだして面白くなって行き、そ
こからラストまではノンストップ。本を閉じて「あ〜！面白かった！！」
と大満足でした。相変わらず終わらせ方が巧くてうなります。初野氏はど
の作品も決して全てオーライな明るいラストではないのだけれど、読後感
がとても良いのです。ジーン、とさせるそのさじ加減も絶妙。うまく終わ
らせられるということは強いな。欲を言えば、もうすこし早い段階で面白
くなって欲しかったけど...。

　星3.8個。

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