夢見る黄金地球儀 海堂尊

 いやあ〜、これはどうしたもんでしょう!

 海堂氏のノン医療モノ。たぶんスラプスティックコメディにしたかった
のだろうけれど、ドタバタのテンポは悪いし、ここは作者的には笑って欲
しいところなんだろうな、という箇所はわかるもののちっとも笑えない。
度々出て来る「ヘイヘイ平介」っていう呼び掛けもイラっとするし。舞城
の「ヘイヘイヘイ」とは全然質が違うのよ。もともと文章のリズムが良く
ない人だから。舞城はあのノリの良いビートのある音楽みたいな文章でた
たみかける様に読むから良いわけで。

 文章については想定の範囲内なので、物語が面白ければヨシとしたかっ
たけれど。それも厳しいレベルか。困ったね、これ。べるさんもご指摘の
通り、エピローグでアイの事が語られないのが全くもって理解不能。「ア
イという最後の謎を解くために」という一文は次行の「俺の胸はとくん、
と鳴る」で完結なんすか、あーそーですか。そこは行間を読み取らなきゃ
いけないわけね。すんません、読み取れなくって。

 星1.2個。