ISOLA 十三番目の人格 貴志祐介

 夏だからホラーでも♪と借りてみましたが、あんまり恐くない。楽勝?
と気を抜いて読んでいたのですが、終盤ぞわぞわっと恐さが来ました!

 やっぱり貴志さんはハズレがないなあ。恐い、面白い、読み易い。多島
さんの症例Aを読んだ時に、多重人格モノは今更書いてもよっぽど新しい
切り口か驚くトリックがないと、ビリーミリガンの二番煎じ感が出てしま
うなあ、と思いました。本書はその点ホラー寄りの味付けをしたことと真
相は?というミステリ的謎感を加えたことでとても面白い小説に仕上がっ
ています。ミスリードにまんまとハマってしまい、ネタが明かされた時に
は「あ〜!そっちかあああ!」と地団駄...。

 星3.8個。