花の下にて春死なむ 北森鴻

 美しいタイトルですねえ〜!

 ビアバー香菜里屋に集う面々が持ち寄る謎を解きあかすマスター工藤の
連作短編集です。いいな〜!ビアバー!この度数の高いビール飲みたい!
昔渋谷にもあったんですよ。5、7、10ってビールの度数が選べるお店が。
気軽に入れる安いお店で気に入ってたので潰れた時は哀しかったなあ。と
りあえずビール!ってぐいぐい飲むのもいいけれど、強いのをしみじみ飲
むのも美味しいんですよね〜、ビールって。

 タイトルからも想像はつきますが、ネタがバリバリ文系。正岡子規の仰
臥漫録が出て来たり登場人物が句を詠んだりします。森博嗣の様な教授系
作家さんやお医者様系作家さん達の理系ミステリの方が最近勢いがあるの
で、文系派は頑張って欲しいです。小説にはやはり言葉や文章の美しさが
大事だし、文学的素養のある作家にもっともっと活躍して欲しい。そんな
ことを考えながら一話一話楽しく読めました。ごちそうさま。

 星3.7個。