チーム・バチスタの栄光 海堂尊

 時代遅れのしら菊第二弾、今更バチスタっすかー!遅っっ!!

 いや〜!面白かった!序盤こそ読みにくい文章にノロノロペースだった
ものの、文章に慣れて来る100ページを過ぎたあたりからは一気でした。
章への応募作でこの水準はやはり凄いと思います。

 連続して起こった術中死。事故なのか、事件なのか。究明に乗り出す田
口。術中死の真相がまずとても気になるし吸引力があります。中盤読者が
田口に解決出来るんかいな、と心配になった頃登場する白鳥。ああ!この
人が真の探偵役か!田口はワトソンだったの?ガンバレ、田口ー!

 真相も単純ではなく物語としてとても面白く出来ていました。おそらく
これよりレベルの落ちるものと続けて読んだであろう章の選考委員はこの
面白さには興奮したことでしょう。

 螺鈿〜やブラック〜でも感じましたが、医学的な描写になるとすごくス
ピーディーになってしまう。専門分野なので筆が乗ってしまうのだと思い
ますが、そこは一般読者には一番解らない部分なので、もうすこしかいつ
まむとか噛み砕くとかして欲しいです。私は衒学趣味に走った雑学ミステ
リ好きなので、筋立てに必要だからと説明的に急ぎ足で語るのではなく、
そこだけ拾い読んでも楽しめる様な医学描写だと嬉しいし星4個あげちゃ
いますが、まあ、それを喜ぶ人も少なそうだし、これでいいのか...。

 星3.8個。