まず石を投げよ 久坂部羊

 今タイピングしていて気付いたのですが、この石が医師とかけてあるの
か?なるほど!

 お医者さん作家といえば海堂尊氏が飛ぶ鳥落とす勢いですが、この人も
忘れてはなりません。「廃用身」の様ななんとも重く強烈なテーマを読者
にぶつけて来る骨太な作家さんです。

 過去作はまず言いたいテーマありき、だったのではないかと思います。
小説としての完成度よりもテーマの強烈さが際立っていた。本作はだいぶ
アクが薄まった、というか読み易いというか、エンターテイメント、小説
である、ということを強く意識した作りになっている様に思います。読ん
でいてしんどい感が少なかった。その分あっけないというか「あ、これで
終わり?」という気もします。その辺のバランスって難しいですね。

 星3.8個。

 ところで、石持作品や辻村作品でも気になる所なのですが、大人が他者
が居合わせる状況で近しい人のことをあだ名で呼びますかね?普段シシィ
と読んでいてもシシィと初対面の人が居合わせる状況では宍村さん、と紹
介する方が自然では?っていうかシシィってこっぱずかしくね?