鬼の跫音 道尾秀介

 ちょっとピンと来なかった...。

 決して悪くはない、そこそこの出来だとは思いましたが、こういう作風
だったら恒川君にはかなわないし、恒川君程のキレがない...。

 最終話が面白かったけれど、これも最後の最後で詰めが甘いというか。
 もう本当に私は彼とは相性が悪いと思います。駄目って程でもないけれ
ど、皆さんが騒ぐ程良いとは思えない。言葉の選び方もあまり好きじゃな
いし...。

 ならば「まあまあでした。星3.5個」という逃げの感想で済ませれば良い
と思うのだけれど(事実そうやって毎回逃げている作家さんは沢山いる)
それが出来ない。どうしてもどの作品も長所より短所の方が目に付いてし
まい、見過ごせず、そこに言及してしまう。感想を書くと不愉快な文章に
なってしまうのだ。読み易いし、必ず一定レベルを超えていて面白いので
読むのは全然辛くないけれど、毎回感想を書くのが辛い。脱落を宣言しま
す。今後も読むとは思うけれど、よっぽど気に入らない限りもう感想は書
かないつもり...。

 作品云々ではないのかも。だって作品は面白い訳だから。ではこの苦手
感はどこから来るのか。もしかしたら人として彼が苦手なタイプなのかも。
同僚だったらきっと仲良くなれないタイプというか?それが作品に透けて
見えるから駄目なのか。なんてこともふと考えました。

 星3.5個。