屈折光 鏑木蓮

 バチスタに久坂部さんに鬼籍通覧と最近医療モノが続いたな〜、と思っ
たら、本書も期せずして医療系でした。なんだかすごく自分が医学に詳し
くなったように錯覚しています。私寝言で「シャウカステン」とか言って
るんじゃないだろーか...。

 薬丸さんの次の回の乱歩賞受賞の鏑木さん。私は受賞作が結構気に入っ
たのですが、世間での評判はいまひとつで、周囲でもあんまり話題になっ
てない...。

 面白かったです。登場人物が少ないので自動的に犯人が二人まで絞り込
まれてしまうため、犯人当てとか、真相が明かされた時の驚きは薄いし、
森田と製薬会社との一件も最後に急ぎ足で語った感があり、もっとページ
を割くべきだったと思う。綾子のその後の話も出来過ぎで行き過ぎな気が
する。と、欠点を挙げようと思えばポロポロ出ては来るのですが、でも、
綾子と父の物語としてこれだけ書ければ充分でないかい?という気もして
しまうのよ。どうも世間の評価(アマゾンのカスタマーレビューとか書評
ブログをぱらりら辿った程度ですが)はきつすぎるのではないかと思う。
乱歩賞じゃない所から出ていれば良かったのか...。

 あと、デビュー作も本書もタイトルがいけてないなあ。そそられない。
これは結構致命傷かも。
 
 星3.5個。