樹霊 鳥飼否宇

 久しぶりだなあ〜。写真屋猫田と観察者鳶山の自然シリーズ。(これ何
シリーズって呼ぶの?)

 シリーズ中一番好きかも。細かいところまですっきり出来て面白かった
です。木の○○って××出来るんですねえ。ネタばれに留意すると何が何や
らわからないなあ。笑

 木が動く謎も犯人も動機も、あの人の役割も良く考えられていたけれど
私が一番おおっ!と思ったのは伏線であったある一文のさりげなさ。とて
も自然な流れで出て来たのでさらっと通り過ぎちゃったけれど、あとから
伏線だったと言われればはっきりあの時点でそういう記述があったことは
思い出せる、その加減が巧いなー、と思いました。

 終章である人の最期がサクっと語られるのだけれど、物語的にあの人が
死ぬことは必要だったのかな。あの人には今も変わらずいてほしい、って
いう気持ちでした。ミステリ、殺人事件大好きだけど、不要な死は嫌だ。

 星3.7個。