旧宮殿にて 15世紀末、ミラノ、レオナルドの愉悦 三雲岳斗

 これは大当たり〜〜〜!!!面白いじゃないか〜〜!!

 これで読むのが三作目となった三雲さん。三つとも別の人が書いたみた
いに作風が違う。でもそれは決して悪い意味ではなく「三雲さんにはこん
な引き出しもあったのか!」と毎回嬉しい驚きをくれるのだ。

 ダヴィンチ!ルネサンス!美術!テーマが好みのど真ん中な上に謎解き
も面白い。どれも良かったけれど、特に「二つの鍵」のロジックは秀逸。
パズルとしてそれだけでも良く出来ているのに殺人事件をからめた物語も
面白い。「心に鍵をかけた」なんてクサいこと書いたって物語の流れ的に
自然だしこの時代なら許されちゃうのだ!

 気が早いですが三雲さんは今年のしら菊的ベストに確実にくい込んで来
るでしょう。

 星4.3個。