モーダルな事象 奥泉光

　超面白かった〜〜〜！大大大満足！

　竹本健治のウロボロスシリーズや山口雅也の奇偶が大好きで、そういう
ノリのものが読みたいなー、と思いました。とくれば、奥泉光しかなかろ
う！と。

　メタな文学的遊びがあって脱力系の愛すべきバカバカしさに溢れていて、
ミステリでもあって、やたらと長大で、教授はグダグダな人物で、ロンギ
ヌスとかわけわかんないし！読者は振り回されて目眩ぐらぐら！もう全て
がしら菊的には萌え萌えポイント。我求ムルハ是也！これぞ小説ぞな！

　事件を追う元夫婦刑事の元にキーポイントは良い具合に向こうからやっ
て来る。本格派ならば「都合の良い展開」と眉を潜めるところだろうが、
ホンカクじゃなくてブンガクだから良いんだもんねー、とせせら笑うかの
如き快調な筆の運び。文章リズムも心地よくてスルスルスルリと読んでし
まいました。終わり方も良いなあ〜。ラスト、すっごく好き。あー、面白
かった。

　本格ミステリ・マスターズ版には読みごたえたっぷりの千野帽子による
考察や著者インタビューがついてるし、文庫版には高橋源一郎が解説を寄
せている。両方おさえたくなるところがこれまた憎い。

　星4.5個。

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