女王暗殺 浦賀和宏

 あ〜、よかった!ホッとしました。勿論事件のトリックも心臓を奪った
ことの真相も瞠目の面白さですが、ファンが注目する部分はおそらくそこ
ではないですよね。

 一時はどうなることかと気をもみながらも頑張ってきたウラガー活動。
ここにきて漸くやってて良かった、と思える展開に。^^ふふっ。

 「透明人間」からいきなり「萩原〜」に来たのではなく間にあのシリー
ズを挟んだことの意味が見えて来ました。あのシリーズでは書きたいこと、
というのが随所に見えかくれしながら結局消化しきれなかった感があった
のですが、それが巧い事ここへ来て展開され始めた印象です。というか、
なんとかして「アレを追い掛けて来たことも無駄じゃなかったのよ!」と
思いたいのよ。笑

 剛士を通してしてきたティーンズ非モテ男子の一人語りが非売れスジ作
家の一人語りになってるあたりはちょっと笑えました。男子の所にキレイ
女子が突如現れる、という男子的にドリーミィな展開も最早浦賀節と言え
る箇所でしょうか。

 作中でも作家のデビュー作へ言及していますが、「記憶の果て」と「時
の鳥籠」を連想します。エディプスコンプレックス、母親というキーワー
ドも初期を思い出させるし、そして何よりあの頃感じた「廻る感」も良い
ですね。勿論、原点回帰ですが、10年前よりきちんとパワーアップしてい
ますよ。万歳。

 私が「面白かった!星4個!」なんて鼻息荒く言ったら勘の良い皆様は
何が起こったかわかっちゃいますかね。でも、きっと未読のファンはここ
まで感想読んでないよね。私も冴さんやたけたけさんの感想を頑に読まな
かったから...。

 星4個。


 ※途中ひどい誤植(名前のミス)があってびっくりしました。えええ!
なんでこの人が襲い掛かって来るの!と。^^;;