探偵小説のためのゴシック「火剋金」 古野まほろ

 う、うおおおおおおお....。

 猛烈に面白かった。強烈に驚愕した。この満足度。決して万人にすすめ
はしないけれど、既に周囲の誰も付いて来てくれていないけれど、声を大
にして申し上げましょう。私はこの人の作品が好きだ。

 開始当初は薄いけれど、ラノベ調だけれど、二段組で、伏線がごちゃご
ちゃ細かくて、天帝シリーズよりも読むのがしんどいという印象だった探
偵小説シリーズ。二、三作目あたりまでは若干億劫でしたが、四冊目で、
あれ、かなり面白い、となって、五冊目、完結。大満足でございました。

 単体で見て、そのトリック、真相、犯人それぞれが本格であったし、シ
リーズの終幕(カーテンフォール)としての大団円、びっくりの仕掛け、
そして、小説、ラノベとしての水里あかねの成長。テンポの良い実予弁の
会話。全てがしっくりすっきりと、しっとりとまとまった秀作。惜しみな
い拍手を贈ります。ありがとう!まほろ!楽しかった!!ぞなもし!

 星4,2個。